その昔(今から20年以上前)、実は、僕は「洋ラン」の組織培養の仕事をしていた。
「胡蝶蘭」とか「シンビジウム」とか「デンファレ」とかね。
普通、洋ランは、株分けでしか増やすことができなかった。
ところが、「組織培養」の手法が確立して、圧倒的に増殖効果を上げた。
さらに、洋ランは普通はいろんなウィルスに汚染されているのだが、組織培養のプロセスの中で「ウイルスフリー」の組織を取り出して、培養する手法が確立していたので、ウイルスに感染していない「元気な」洋ランを増やすことができるようになっていた。
株分けでしか増やせなかった洋ランも組織培養で簡単に(と言っても、かなり難しいのだが)増やせるようになり、洋ランの値段も下がり、一般市民も手が届く高級花になった。
その研究の時に、つくづく感じたのは、「洋ランの組織培養」は「無法地帯だ」ということだった。
医薬品の製造では、製造に使われるあらゆる原料の規格が決められいたし、法律で縛られていた。
ところが、洋ランの組織培養の「培地」に何を入れるかは自由で、規制は全く無かった。
「なんでもありだな」と僕は思った。
企業秘密なので、あまり多くは言えないが、たとえば、「ハイポネックス」とか「ココアミルク」なんかも培地に入れた。
組織を増やすたための光の照度とか、培養の温度とか、培地の製法は、全て、企業秘密だった。
でもって、それを規制当局に報告する義務もない。
まったくもって「何でもあり」なのだ。
医薬品の製造責任をやっていた僕は、この無法地帯に、憧れ、暴れまくった。
洋ランの組織培養のほかに、生薬の組織培養、「わさび」の組織培養などもやった。
最近、広告を見ることが多い「ミドリムシ」もやった。
その会社ではミドリムシの学名である「ユーグレナ」を登録商標までとった。
こんな経験が、今の僕を形成している。
とても、単純じゃないな、と、自分でも呆れている。
posted by ホーライ社長 at 00:39|
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